楽しいですか?

本日一発目の撮影は飲食店のフード撮影。

いつものように到着&打合せをして、
機材を準備して、いつものように撮影開始。

撮っててしばらくして、
店長さんが僕に話しかけてきた。

「カメラマンの仕事って、楽しいですか?」

長らくそんな質問をされたことがなかったもので、
一瞬戸惑ったあとに「え?なんでですか?」と聞き返してしまう。

すると店長さんは言った。
「いやぁ、今まで来たカメラマンさんの中で
一番楽しそうに写真撮ってるなぁって思ったんですよ」


***

「好きなモノを仕事にする」

これがよいことか、あるいは逆か。
それは端的に表裏一体だと思う。

好きなモノにいつも触れていられる幸福感もあるけれど、
必ずしも"楽しい!"で片付けられない仕事も多々ある中で、
常にポジティブなテンションを保つことはなかなかに困難だ。

ただ僕の場合「これしか能がない」と強く自覚していることと、
「食えなかった時代」を骨身に沁みるほどに味わってる故か、
「写真の仕事がある」という事実は何よりも幸福なのだ。
(逆に、仕事が入らない時期は極端にストレスフルに陥る)

"典型的J-POPの体現"とも言える某ユニットの名曲で、
「うれしいたのしいだいすき」なんてタイトルの曲があるが、
僕にとって写真と撮るということ、フォトグラファーいう仕事は、
そんなポジティブ三連鎖なタイトルがまさに合致する、
幸福極まりない業なのだと。時折、そんな事を考える。

「仕事が楽しくない」と言う人が多数を占める中に於いて、
これはある種、とてつもない幸運なのかもしれない。


***

店長の言葉を聞いて、僕は答える。

「えぇ、楽しいですよ!いい仕事だと思っています」


あと何年、この仕事ができるだろうか。
できる限りは、この高揚を保っていたいものだと、
今日のできごとから再認識した。そんな水曜日の午後だった。


しかし…
「楽しそうに見えた」ってね。
気付かないうちにニヤニヤしてたのかな。

気持ち悪いカメラマンだな、わははは。



マツモトカズオ
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# by steeldog_79 | 2015-07-23 01:11 | 写真のはなし。 | Comments(1)

Grateful Dead

先日、家内が僕にこんなことを言った。

「クルマの中で気軽に聴けるようなCD、ない?」

彼女は僕のようにHR/HMあたりを聴く人間ではないので、
僕はしばらく悩んだ末に、あるバンドのCDを手渡した。

そのバンドの名は「グレイトフル・デッド」。


***

このバンドとの出会いは…15年ほど前だったろうか。
某雑誌で「アメリカンバイカーたちが愛するバンド」として紹介されていて、
"Dead"なんてハードな言葉が入っているものだから、
きっと僕好みのハードコアなバンドだと思い、
レコード・ショップでその「デッド」の2枚を購入した。

家に帰るまでの道のり(もちろんバイク!)、
さぞかしテンションの上がるバンドだと夢想して走ったっけ。


が。

帰宅後、喜び勇んで挿入したCDプレイヤーから流れてきたのは、
とってもメロゥな…ユルさ全開のサイケデリック・サウンドだった。

妄想とのギャップに驚き、
正直に言えば、その瞬間は幻滅したことを記憶している。

しかし、せっかく買ったCDだし…
「アメリカのバイカーが好む」って聞いてたし…
そんな貧乏性な性格ゆえか、僕はしばらくこのバンドを聴いてみることにした。

…すると。

次第に僕はデッドの奏でるユルい音に、
何とも不思議な居心地の良さを感じるようになっていた。



特に"Truckin'"という曲のヴォーカルやコーラス、
ギターのフレーズに強く惹かれた。

確信もソースも一切無い、あくまで僕の妄想だけど、
きっとバイカーたちはこのバンドが奏でるメロゥな曲調に、
フリーウェイを悠々と走る自分の姿を重ねたのではないだろうか。

そう感じ始めてから、僕はデッドの音を愉しめるようになった。

今でも僕のメインBGMはHR/HMなのだけれど、
時折、デッドを聴きたくなって iPhoneでデッドの曲を流す。

***


家内にデッドのCDを貸して数日。

先日、彼女の車に乗る機会があった。
エンジンをかけると、スピーカーから"Truckin'"が流れた。

それだけで、僕はとても幸せな気持ちに包まれた。


いつしか憧れた、雑誌の中のアメリカン・バイカーたち。
Truckin'を聴くと、少しだけ彼らに近づけた気がするんだ。



マツモトカズオ
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# by steeldog_79 | 2015-07-09 00:09 | ひとりごと。 | Comments(0)

Shoot!!

先日のできごと。

仕事現場に到着し、機材をセッティング。
さて撮影を始めようとしたとき、
重大なミステイクに気付いて青ざめた。

「…CF忘れた!!!」

f0214531_18272875.jpg

CFとは、言わずもがなカメラの記録メディアのことである。
コンパクトフラッシュ。アナログ時代で言うところのフィルムだ。

これを忘れるというのは、
言ってみれば「戦場に銃は持っていったが弾丸を忘れた」的な、
どうしようもない初歩的な大失態に値する。

幸い、近所のコンビニでSDカードを手に入れたので、
撮影には支障がなかったのだが(5D-3はSDカードも使用可!)、
写真を生業として初めての愚行に、焦りを禁じ得なかった。


このとき、僕のアタマの中に浮かんだフレーズがある。

ベトナム戦争を描いた映画「フルメタル・ジャケット」の1シーン。
ハードな入隊訓練を受ける新兵たちが、寝る前にライフルを抱えて祈る。
その時の祈りのフレーズだ。

「鬼のハートマン」と呼ばれる鬼教官の「祈れ!」の号令に、
新兵どもは声を張り揃えて以下の言葉を発するのだ。

"THIS IS MY RIFLE, THERE ARE MANY LIKE IT BUT THIS ONE IS MINE.
MY RIFLE IS MY BEST FRIEND. IT IS MY LIFE.
I MUST MASTER IT AS I MASTER MY LIFE.
WITHOUT ME IT IS USELESS,
WITHOUT MY RIFLE I AM USELESS.


「これぞ我がライフル ライフルは数あれど 我がライフルはひとつ
我がライフルは 我が最良の友 我が命 
我 人生を征するが如く これを征す
我 無くしてライフル 役立たず
ライフル 無くして我 役立たず」




カメラ。撮る。
ライフル。撃つ。
奇遇にも、どちらも"SHOOT!!"という動詞を用いるアクション。

「ライフル」を「カメラ」に置き換えると、
見事に「カメラマンの掟」の如き内容になる。

"我 無くしてカメラ 役立たず カメラ 無くして我 役立たず"


ハートマン教官の怒号を心に留め、
明日からまた、写真業に勤しむ次第。
二度とこんな失態は起こすまい。

"USELESS"なんて言わせるものか。



マツモトカズオ
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# by steeldog_79 | 2015-07-02 18:55 | 写真のはなし。 | Comments(0)

「好き」がベストとは限らない時間。


以前、某V編集部の某編集部員と話したことがある。
「原稿を書くとき、一番集中できる音楽は何ですか?」
この質問に、彼は即答で「ノラ・ジョーンズやね」。

f0214531_0594577.jpg

の…ノラ・ジョーンズ?!

思わず耳を疑ったことを今でも覚えている。
この編集さんは根っからのパンクスで、
編集部に入る前からパンクロック漬けだった人。
それがノラ・ジョーンズなんて言うもんだから、
そりゃあビックリもするって話で。

だけど、今ならちょっと分かる。
モーターヘッド聴きながらじゃ、
原稿進まないんだもの。

f0214531_0595583.jpg

世界一好きなバンドなのに!

意外にも、死ぬほど大好きな曲ってのは、
集中したい時には案外不向きだったりする。

その人にもよるんだけど、僕や前述の彼は、
大好きな曲は「聴いちゃって集中できない」
そんな不思議な現象に苛まれてしまうこともある。

そういう時に、耳障りのいい曲が仕事を助けてくれる。
僕の場合は、旧いカントリーとか、
邦楽なら最近じゃFried Prideとか。
ノラ・ジョーンズにも納得かな。

f0214531_0593926.jpg

音楽っておもしろい。

アナタがここ一番集中して作業するとき、
BGMに選ぶのはどんな音楽ですか?

中には「無音!」って人もいるもんね。
僕はとても耐えられないけれど。
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# by steeldog_79 | 2015-06-20 01:03 | ひとりごと。 | Comments(0)

Let's talk 'bout "FXR".

僕がハーレーに乗り始めた頃。

「FXR」というモデルは正直、
"超絶不人気車"とされていた。

「なにあのカッコ悪いフレーム」
「あんなん乗りたくないよねぇ」

あまりにもみんながそう言うものだから、
実車を見るまで僕も「FXR=カッコ悪い」
そういうイメージを脳内に植え付けていた。

00年になって取材で走り回るようになってからだ。
そんなFXRを駆るカッコいいバイク乗りに出会うようになったのは。

ただ単に「カッコ悪いハーレー」と思っていたバイクは、
実はハーレーの中でもスペシャルなモノであるということを
FXRを敢えて選んだというオーナーたちから聞かされたことで
僕の中の無意味なFXR差別は徐々に息絶えることになり
いつしか大好きなバイクになっていった。

f0214531_0493964.jpg


この写真のFXRオーナーは、
そんな僕の「食わずFXR嫌い」を解消させてくれたひとりだ。

あまりに不人気だった時代にこのバイクを手に入れて20年以上。
彼がFXDを愛でる言葉には強烈なる説得力があり、
跨がるどころか実車を見もせずに嫌っていた、
あの頃の自分を恥ずかしくさえ感じる。


FXRというモデルが消えて20年。
今になってFXR系のバイクは尋常ならぬ人気を集めるようになった。

(まったく…
 人は、そのモノが手に入らなくなると欲しがる
 FLTRが廃盤になった後のリアクションを思い出す)

しかしそんな流行がやってくるずっと昔から、
この優れたバイクを愛した先人がいたということ。

それはこの"FXR"というバイクを語る上で、
知っておくべきファクターなのである。



Photo:マツモトカズオ
Thanks to:Mr."TAMA"
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# by steeldog_79 | 2015-06-11 00:54 | バイクのはなし。 | Comments(0)

家内と偉人のシンクロ・コメディ。

最近、某SNSにこんな投稿をした。

***

大変手前味噌ではありますが。

不器用な僕に対し、家内はとても手先が器用です。
時折、仕事で使う制作物なども作ってもらうなど、
僕の仕事においても彼女の存在は欠かせません。


f0214531_20475148.jpg

先日帰宅すると、家内は何かを作っていました。
カッターで消しゴムに彫っていたのは僕の屋号「steeldog」。
イベントなどで使うスタンプを自作していたのでした。

僕は家内に感謝の意を伝えるとともに、
スタンプというものは文字を反転させねばならぬことを、
そっと彼女に伝えるのでした。

そんなマツモト家の日常。
今日も我が家は平和です。


***

この記事を投稿したところ、
過去最高数のリアクション。

僕ら家族のストーリーをこんなにも楽しんでもらえたことは、
僕にとっても嬉しい誤算だった。


この話には、サイドストーリーがある。

実はこのちょっとした「事件」が起こったとき、
僕はひとりの偉人の、ある忘れられない逸話を思い出していた。


その偉人は少年時代、少々学業の成績が悪かったという。
当然のこと、学期末には通知表というペーパーが配られ、
それを親に見られようものなら大目玉間違いなしである。

しかし仮にそれを親に隠したとしても、
印鑑を押して次学期には先生に返却せねばならない。

そこで彼は考えた。
「印鑑を作って、それを自分で押してしまおう…!」


非常に手先が器用だった彼は、芋を彫って印鑑を作成。
それを成績表に押し、まんまと親の叱咤を回避したのである。

それを聞きつけた同級生から、彼に大量の注文が入った。
気のいい彼は、そのオーダーをもそつなくこなし、
同じく成績が悪く通知表を親に見せたくない同級生から喝采を浴びた。


しかし。

何故だか、すぐさま彼は先生に呼び出され、大目玉を食らうことになる。
印鑑の偽造はあっという間に発覚してしまったのである。

これには、彼の「姓」に問題があったのだ。

彼の姓は「本田」であり、その文字は左右対称である。
故に、文字をそのまま彫っても印鑑には何ら影響はない。

しかし、他の同級生はそうはいかない。
反転させて彫らないと、押した印鑑は逆さ文字になってしまうのだ。

自らの姓が対称であることから「反転」という発想に至らず、
結果、同級生たちは逆さ文字印鑑の通知表を提出、偽造が発覚。
本田少年共々、親どころか先生にまで怒られる羽目になった。


もうお分かりだろう。
この非常にコミカルな話の主人公、本田少年こそ、
世界の"HONDA"を一代で築き上げた「本田宗一郎」その人である。

そして僕の家内の旧姓も「本田」。
彼女も自分の姓が左右対称ゆえに印鑑の反転作業に気付かず、
今回の「事件」で僕と友人たちを大いに楽しませてくれたのであった。


世界に名を轟かせた稀代の技術者と、
僕の家内とを同列に並べることは少々気の引けることなのだが、
「ふたりの手先の器用な本田」が起こしたこのコメディーは、
その時代背景をも超えたシンクロが実に痛快に思えて、
僕は敬意とか思慕とか…複数の不思議な感情を同時に抱えて笑った。



f0214531_2141615.jpg

この本田少年のストーリーは、
本田氏の盟友であり、ソニーの創始者であった井深大氏の著書、
我が友 本田宗一郎」に詳しく記されている。

僕も高校生の時に読んで未だに所有している、
非常に興味深い一冊である。ぜひご一読頂きたい。



<Photo:マツモトカズオ>
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# by steeldog_79 | 2015-05-08 21:37 | ひとりごと。 | Comments(0)

無理な注文なんだけど。

最近。

訃報を耳にすることが多くなった。
好きだったシンガーだったり、役者さんだったり。

そういった訃報のみならず、
関係性の近い人の報せには…やりきれぬ想いがよぎる。


人間だもの。
生き物だもの。

「そのとき」が訪れるのは必然。

だけどできる事ならば、
それは自分勝手で無理な注文なんだけど、
そんな哀しいことを聞かずに日々を過ごしたいのが本音。


だからもうひとつだけ、無理な注文。

「みんな、死ぬな」

頼むから死なないで。
俺もできるだけ死なないように生きてくから、
僕の周りの愛しき人たちよ、死なないでほしい。


最近観た映画の中のワンシーン。
あるキャラクターが言ったセリフが妙に心に刺さった。
「もう葬式はイヤだぜ。」


見送るのも見送られるのも、
もう当分先延ばししようよ。


生きていよう。
できるだけ長く。ね。



R.I.P...
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# by steeldog_79 | 2015-04-23 02:38 | ひとりごと。 | Comments(0)

日本酒 Japanese "SAKE"

料理撮影を生業のひとつとしてから、
日本酒を撮る機会が増えた。

日本酒。
正直なところ、あまり素敵な記憶がない。

どうにも味が苦手なモノがあったり、
逆に美味い美味いと呑んでいて泥酔してしまい、
人様に迷惑をかけた事も多々あるのだ。

ワインと並んで、僕の中では「怖い酒」だった。


そんな僕が不思議な縁で口にしたのが、
山形の日本酒「出羽桜・桜花」だった。

お気に入りの居酒屋でメニューを見ていて、
母の実家である山形が産地であることと、
呑みやすさをプッシュしていたことが気になって、
10年ぶりくらいに口にした日本酒だった。

これが、恐ろしく美味だったのだ。

単純なもので、そこから日本酒が好きになった。
毎日口にする訳では決してないが、時折、
日本酒を飲みたくなるようになったというか…。

ともかく、僕の日本酒に対する苦手意識、
それを振り払ってくれたのが出羽桜なのだ。


f0214531_0214330.jpg

今日も日本酒を撮った。

好物になると、不思議と写真にもそれが現れる。
昔よりも日本酒の写真が得意になった気がしている。


…まぁ気のせいかもしれないけれど。


また素敵な日本酒に出会えること。
それを心から楽しみにしている。




Photo:マツモトカズオ
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# by steeldog_79 | 2015-04-10 00:34 | ひとりごと。 | Comments(0)

写真を撮る者として嬉しいこと


雑誌やwebマガジンなどを主戦場としているカメラマンにとって、
雑誌の表紙はもちろん見開きや、web-magのトップ画像や、
とにかく"自分の写真が大きく扱われる事"というのは、
やはり何度経験してもとても嬉しいことで、
その誌面を何度も見直してはニヤついてしまうものだ。

今リリースされているV誌別冊にも写真を見開きで使ってもらった。
先月号の本誌では準特集で撮ったバイク乗りが載っているし、
間もなく発売の次号にも数ページ、僕の撮った写真が載る。

初めて自分の写真&レポートが全国誌に掲載されたのは、
2000年の5月に発売されたV誌だった事を覚えている。
届いた雑誌を眺めてひとりテンションを上げていたっけ。

あの頃と同じテンション…と、までは言わないものの、
暖色系の喜びがこみ上げてくることは未だ変わりない。

f0214531_953542.jpg

webマガジン「ストリート・ライド」
縁あって、最近仕事させてもらっている媒体だ。
このトップ画像に先日、僕が撮ったバイク乗りの写真がアップされた。

彼女の記事は近々公開予定。
写真の通りクールなチョッパー乗りだ。

ご期待あれ…!



マツモトカズオ
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# by steeldog_79 | 2015-03-31 09:18 | ひとりごと。 | Comments(0)

GOOD FOR NOTHING

その昔、密かに憧れていたBARがあった。

ハーレーに乗り始めて間もない頃に知ったその店は、
僕がリスペクトするバイカーたちが集う店で、
とても僕のようなヒヨッコが行ける店には思えなかった。

店主がバイクを駆る姿には筆舌に尽くし難いクールさがあり、
「ああいうバイカーじゃないとあの店には行けないんだなぁ」と、
自意識の中で勝手にハードルを高くして"行かない理由"にしていた。
それこそ、イソップ童話の「すっぱいぶどう」の話みたいに。

そんな店に、縁あって撮影に行くことになった。
店主は相変わらずクールにバイクで店に訪れ、
僕が出会った15年前と何ら変わらぬ調子で、
懐かしい話をたくさん話してくれた。

f0214531_2253382.jpg

15年前、あの頃思い描いていた「カッコいいバイカー」像に、
果たして今の自分は到達しているかと問われれば、
それはもちろん確たる自信は無いのだけれど、
変わらず乗り続けているという事実だけは、
その劣等感を少しだけ溶かしてくれる。

この店が似合うようなバイク乗りになりたいと、
15年前には思っていたのだけれど、
ほんの少しは近づいているのかな。

何にせよ、また近いうちに店主に会いに、
このBARのドアを叩こう。そう思えた夜だった。



Photo:マツモトカズオ
Thanks to:Bar GOOD FOR NOTHING
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# by steeldog_79 | 2015-03-10 02:34 | バイクのはなし。 | Comments(0)


しゃしんとばいくと。


by steeldog_79

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