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ニューヨーク、再び。  ☆★ #08 The Brooklyn Invitational ★☆

9月19日。

いよいよBrooklyn Invitational 当日がやってきた。
相変わらず劣悪なホステルを早々に出発し、
近くのデリでハムサンドを買う。

ニューヨーク、再び。  ☆★ #08 The Brooklyn Invitational ★☆_f0214531_15333333.jpg

今回のワーストメモリーだと先述したホステルだが、
ひとつ素敵なポイントを挙げるとしたら、
ここのデリのサンドウィッチは結構美味かった。

僕は毎朝ここでサンドウィッチをオーダーしていた。
客も店員も南米系でスペイン語が飛び交うため、
僕以外のみんなが話す言葉はさっぱりわからなかったけど。

全然時間通りに来ないバス。
15分くらい待ってやっと来たバスに乗って会場へ向かう。
Google Mapのおかげで乗り換えもスムーズにこなし、
目的の場所へたどり着く。

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ROOT studio BROOKLYN。
かつて、ケイノさんの師・INDIAN LARRYのショップがあった場所だ。

写真スタジオなのだが、そのサイズはなかなかのモノ。
白ホリゾントのスタジオが4面もあり、機材も凄まじい品揃え。

ニューヨーク、再び。  ☆★ #08 The Brooklyn Invitational ★☆_f0214531_15322019.jpgニューヨーク、再び。  ☆★ #08 The Brooklyn Invitational ★☆_f0214531_15321698.jpg

スタジオライティングからアイデアを得た照明器具など、
なんともクールなスタジオ。いちカメラマンとして、しばし圧倒される。

いつかこのスタジオで撮影してみたいものである。

このスタジオの中で開催されるInvitational。
ケイノさんは慌ただしく会場の準備をしていた。
それをちょっとだけ手伝ったのち、時刻は午前9時。
メディアの為に設けられた取材時間になった。

アメリカや各国のメディアとともに撮影を開始する。
正直、テンションが上がる。海外で、他誌のカメラマンと仕事。
こういう仕事のスタイルを夢見てたからなぁ…。感慨深い。

展示されたバイク27台もすごいラインナップ。

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全米の、そしてドイツや英国や日本の…
高名なビルダー達のマシン達が白ホリのスタジオに整然と並んでいる。

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入っていきなりライアン・グロスマンのナックル"The Graped Ape"。

伝説のビルダー&ペインターDean Lanzaの名作「Quick Silver」を復活させた、
Vintage Dreamのライアン。この Graped Apeも Dean Lanzaの作品。
なんだろう。この手のサヴァイヴァーには妖気のような雰囲気がある。

そんな妖車の向かいに現行アグスタのレーサーが並んでたりする。
これがこのBrooklyn Invitationalの醍醐味。
歴史的背景とかバイクのジャンルなんかを全て超越した、
クールなモーターサイクルが整然と並んでいる。

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足元にはJUNさんが手がけた無垢のネームプレートが鎮座するのみ。

マシンの周りには一切の修飾が排され、
純粋にバイクのみを"鑑賞"する。
この日限りのモーターサイクル・ミュージアム…!

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こちらはEhinger KraftradのUwe Ehingerが手がけた"Speedster"。
まさか、実車を眼前で見られるとは思わなかった。
造形の細やかさやデザイン、ギミックの独創性は、
なんとなく「あぁ、ライカを生んだ国の作品だなぁ」と思えた。

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その隣には日本人の作ったモーターサイクル。
Brat Styleの Go Takamine氏の"Chout"。
27年スカウトのフレームに、40年代チーフのモーター。
これもUweのバイクと同じく今年のBORN FREEに出展されたバイク。
ネットや各誌で目にしていたが、それが目の前にあるという興奮!
ご本人にも会うことができたのだが、実に快活なナイスガイだった。

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さらにはChabott EngineeringのShinya Kimura氏のCB。
これもメタルワークが凄まじい!なんというか、絶妙な「ハンドメイド感」というか、
ちょっとした曲線だったり歪み(無論、人為的に作られたモノ)なんかが、
木村氏がこのマシンを製作しているシーンを夢想させてくれる。
ご本人は残念ながら来場できなかったらしいのだが、
いつか取材&撮影させてもらいたい日本人の一人だ。

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繰り返しになるが、そんな旧車ベースのカスタムマシンのすぐ隣に、
こんなハイパフォーマンス・マシンが並んでいたりするのが楽しい!
これはRoland Sands DesignがVICTORYと共に、
かのPikes Peak Hillclimbに挑んだというマシン。

ところで、日本ではちょっとしたカスタムに"RSD"のパーツを見受けるが、
果たしてRSDのパーツを装着したマシンに乗っている日本人の何割が、
ローランド・サンズという人を、ブランドをちゃんと認識しているのだろうか。
何かを纏う時は、そのバックグラウンドも知っておくべきだ。
そうすると、もっとRSDに敬意を覚え、愛するようになる。…そんな気がする。

さて、ここで僕が最も会いたかった、再会したかったマシンを紹介したい。

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ケイノさんが昨年製作した"Rhapsody in Blue"だ。
YAMAHAヨーロッパのYard Build Projectに於いて、
Keino CyclesにXJR1300のカスタムオーダーが入ったのは昨年の話。
僕が昨年お邪魔した日、その日こそ、このバイクが完成した日だった。

YAMAHAとの契約上、その時は撮影することができなかったのだが、
今年のInvitationalのタイミングでヨーロッパツアーから凱旋。
ついに日本のメディアとして"Rhapsody in Blue"を撮影できた。
ブルーをベースとした、YAMAHA伝統のストロボカラーが美しく、
フォークのギミックやメタルワークにケイノさんの技術とセンスを垣間見る。
この一枚を撮影した時、偶然に天窓から陽光が差し込み、
スポットライトのようにブルーの車体を輝かせた。
「カッコいいわぁ…!」素直にそう思った。

このバイク、このあと売り出されるらしい。
欲しいなぁ…。似合わないけど。
これに乗れる人間は幸福だよ。本当に。


さて。

展示会場のオープンは13時。
同じブロックで現・Indian Larryのブロックパーティが開催されており、
この界隈はなかなかにヘヴィなバイク渋滞が発生していた。

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ROOT Studioの前にも開場を待つ連中が列を成していた。

そして開場。
27台のマシンを観るべく、フリークたちが展示会場になだれ込む。

展示エリアの対極にあるスタジオには物販スペースがあり、
そこでTATTOOだったりショップブースが並んでいる。

その一角で、スタジオでの開催らしく
フォトセッションが行われていた。

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フォトグラファーのJames Stoneのフォトセッション
来場者を黒と白の背景で撮影している。
これは例年の恒例イベントらしく、撮られたい連中が列を作っていた。
僕はJamesに許可をもらって撮影シーンを見せてもらった。
今までに日本で見た撮影シーンとは全く違う撮影。
ライティング云々はもちろんだが、色々と勉強させてもらった。

会場の外もなかなかに興味深かった。
前日のBlack Bear BarでもたくさんのChopperを見かけたが、
今日はその何倍ものバイクがこの界隈にあふれていた。

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バイクが並ぶストリートの視界の先には、マンハッタンの高層ビル群。
このコントラストがたまらない。NYCのショーだということを再認識させてくれた。

ここで子供とタンデムしたFLTRを撮ったのだが、
それから一時間後くらいに会場内で彼らに話しかけられた。
「なぁ、さっき俺たちのこと撮ってたよな?」

僕は一瞬、撮影したことを怒られるのかと思ったのだが…。
彼は名刺を僕に手渡し「あの写真、くれないか?ぜひ欲しいんだ!」
わははは。緊張し損。息子とのバイクでの2shot、画面で見せたらすごく喜んでくれた。
僕はメールで送ることを約束した。いいなぁ。こういうコミュニケーション。


展示会場、ストリート、INDIAN LARRYのブロックパーティ会場…
いろいろと歩き回っているうちに、どうにも体調が優れないことに気づく。
なんだか眠さとダルさに、一気に襲われたような感覚。
…絶対あのファッキンな宿のせいだ。寝不足と時差ボケでフラフラだ。

しかしこんな取材を今後何度できるかわからない。
こんなことでへこたれてなるものか!奮起して撮影再開。

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日が沈んでからも会場は熱気を失わない。
むしろ、ライティングにより雰囲気を増した展示会場では、
昼間よりもバイクが美しく見えた気がした。

ここで、ケイノさんとGOさんの2shotを撮影。

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ケイノさんはNY。GOさんはLA。
日本人がアメリカで認められ、リスペクトされている。
一介の日本人として、フォトグラファーとして、
やはり誇らしい気分に包まれた。

本当に思う。
ここに、BROOKLYN INVITATIONALに来ることができてよかった。

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日本からNYCへ。はるばる旅して辿り着いたのは、
数人の日本人が、アメリカ人たちと肩を並べていた場所。
すごい場所だった。誇らしくさせてくれた場所。ここに来れてよかった。

そして20時過ぎ。
僕はリタイヤ。疲労と睡魔の限界で。わはは。


充足感を胸に、例の宿に戻った僕は、
文字通り「死んだように」眠った。

ニューヨーク、再び。  ☆★ #08 The Brooklyn Invitational ★☆_f0214531_1724871.jpg



続く
by steeldog_79 | 2015-12-10 17:26 | Report


しゃしんとばいくと。


by steeldog_79

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